こんにちは!chanmiです。
OTになりたいけれど、残業が多いって本当なのかな?
このような不安をお持ちの方はおられますでしょうか?
「せっかく作業療法士になれたのに、残業ばかりで帰ったら寝るだけ…」こんな生活は避けたいですよね。
今回は、現役OTの筆者が「作業療法士の残業時間のリアルとライフワークバランスを保つ方法」についてご紹介していきたいと思います。
皆様の参考になりますと幸いです。
作業療法士と残業時間のリアル
実際に、作業療法士の残業時間はどのくらいなのでしょうか?
結論からいうと、残業時間は、「経験年数や職場環境によって大きく異なります!」
今から、全国の作業療法士の残業時間と、筆者のリアルな残業時間を比較していきたいと思います。
1週間の平均残業時間
2017年に行われた調査によると、作業療法士・理学療法士の平均的な1週間の残業時間は、「2時間未満」が32.7%で最も多く、次いで「2時間以上4時間未満」が23.2%となっております。
意外と残業している人が少ない印象!!
しかし、「8時間以上」が12.3%という結果も出ていることから、職場や所属先によって残業時間に大きく差があることが分かります。(出典:厚生労働省「理学療法士・作業療法士の需給推計について」)
さらに、経験年数によっても残業時間に差が出てくると考えます。
新人の頃は一つ一つの仕事をこなしていくのに、かなり時間がかかるためです。
経験年数や所属先は自分自身でどうにか出来る問題ではありませんが、
職場は自分次第で何とか変えられそうですね。
【回復期OT】1年目のリアルな残業時間
では、リアルなOTの残業時間はどのくらいになるでしょうか?
現役OTの筆者一個人の結果とはなりますが、
- 新卒で、回復期リハビリテーション病棟配属
となった、OT1年目の頃の残業時間をご紹介していきたいと思います。
結論から言えば、残業をしない日はほぼありませんでした。
- 少なくて、2時間程度、多くて、4時間以上
となっております。
21時にはスタッフルームの戸締りをしないといけない決まりだったため、
21時を超えての残業はありませんでした。
残業時間が限られていたこともあり、それでも終わらなかった業務は、早朝出勤や休み時間にこなしていました。
1年目は仕事の効率も悪く、また配属部署がとにかく業務量の多い回復期リハビリテーション病棟だったこともあり、このような結果となりました。
【施設OT】6年目のリアルな残業時間
では、仕事にも慣れ、さらには施設への転職となったリアルな残業時間はどうなったでしょうか?
経験年数は、回復期も合わせると6年目になります。
結論から申し上げますと、
- 残業しない日がほとんど、多くて1時間未満
このように劇的に変わりました。
理由としては、転職をして施設に勤務するようになったことで、「業務量が減り、1日のスケジュールにもゆとりが生まれたこと」が考えられると思います。
身障・老年期領域に加えて、発達障害領域が加わったことにより、新たに覚える業務や知識は増えましたが、それでも残業時間はかなり減りました。
作業療法士の残業内容のリアル
そもそも、なぜ業務時間内に仕事が終わらないのでしょうか?
筆者のリアルな残業内容の内訳を職場ごとにご紹介していきます。
回復期OTの残業内容
回復期OT時代の「残業しがちな業務BEST3」は、上から順番に、
- 外出訓練の計画書の作成
- 退院時の申し送り書の作成
- 自助具の作成、アクティビティの準備
となっていました。
その他にも、勉強会やケース発表会などで残る事もありましたが、これはあくまでも「自己研鑽」という枠組みであったため、(ほぼ強制参加でしたが…)残業としてはカウントされませんでした。
外出訓練の計画書の作成
私が勤務していた病院では、患者さんの退院に向け、
- 自宅や施設への外出練習
といったものがありました。
事前に家屋評価を実施させてもらい、その情報を元に、実際の環境でのADLやIADLの練習を行うのです。
しかし、そのための計画書の作成が、かなり大変でした。
家屋評価のデータを用いて、
- 玄関の出入りはスロープを使用
- トイレは手すりを検討
- ベッドや椅子の高さは〇㎝を提案 など
「安全にその人らしく退院出来るように」細かく住環境を設定した計画書を、イラストや図面を使って作成するのですが、パソコン作業が苦手だったため、最も時間のかかる業務の1つでした。
退院時の申し送り書の作成
リハビリテーション部門としてまとめて申し送りする報告書とは別に、OTとしての報告書も作成しなければならず、これも大変でした。
- 自主練習メニュー
- 1日のスケジュール表
- ADLやIADLの環境設定 など
これらを細かく記載した報告書の作成を、先ほど同様にイラストなどを用いながら、パソコンで作業をするため、時間を要しました。
自助具の作成、アクティビティの準備
患者さんの状態に合わせた自助具の作成もOTの仕事の一つです。
例えば、
- バネ箸
- ソックスエイド
- 麻痺側上肢用のスリング など
これらを中心に作成する事が多く、慣れない新人の頃は作るのに手こずっていました。
材料の購入も担当OTの仕事であったため、業務後にホームセンターに駆け込む事も少なくありませんでした。
また、診療中に使用するアクティビティの事前準備も前日までに済ましておく必要があり、残業となる事が多かったです。
- ネット手芸用のネットの裁断
- 塗り絵やクロスワードなどのプリント印刷
- ポンポン手芸の仕上げ など
他にも挙げだしたらキリがありませんが、業務時間内に終わらすことが難しい業務でした。
施設OTの残業内容
施設OTの現在はというと、残業がないことがほとんどなのですが、
- たまに人手不足で介護職から依頼がある、夜ご飯の食事介助
- 上司からのフィードバック
がたまにある残業の理由です。
書類業務や診療準備は、事前に上司に報告すれば、業務時間に確保してもらえるため、とても有難いです。
回復期、施設OTの1日の詳しい仕事内容を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
ライフワークバランスを保つための方法
作業療法士は、経験年数や職場によって残業時間に差がある事が分かりました。
最初は誰もが新人で容量も悪いし、残業は仕方がないよね。
転職もすぐには出来ないし…。
残業が全くない職場を見つけることは簡単ではないと思います。
次は、「仕事とプライベートとのライフワークバランスを保つために筆者が実践している方法」をご紹介したいと思います。
自己研鑽と業務を分ける
申し送り等の書類作成やカルテ記入は、必要最低限の情報だけ記載するように心がけていました。
- あれもこれも書きたい
- もう少し見やすい図を入れたい など
完璧主義な筆者の性格上、このような欲が出てくる時もありますが、提出書類は80%の完成度を意識していました。
評価結果を論文などを用いて、詳しく解釈したり、自主練習のイラストや図をつい凝ったものにしがちでしたが、
「自己研鑽と業務の線引きをすることが、日々の業務を効率的に行う秘訣」
だと、先輩に教えてもらってからは、残業時間も格段に減りました。
「どうしても満足出来る資料が作りたい!」といった場合は、ケース発表などの自己研鑽の際にこだわって資料作りをすればよいかと思います。
定時ダッシュしていた先輩の報告書やカルテの内容も参考にしていましたね!
残業時間や曜日を設定する
朝出勤した時点で、「今日は1時間しか残業しない」といったように、あらかじめ残業時間を設定しておきましょう。
また、「水曜日はノー残業デー」といったように自分の中で残業しない日を設定する事も重要です。
自分だけの決意では、ついだらだらと残業してしまうという方は、業務時間後に予定を入れてしまう事もおすすめします。
残業しないスタッフになる
これを新人の頃に行うには中々にハードルが高いのですが、
- プライベートが忙しい・大変だという事をアピールする
ということも重要です。
そして、定時になったらすぐにいなくなる、「残業しないスタッフ」という立ち位置に立つのです。す。
医療従事者は特に忘れがちですが、本来、「仕事は業務時間内に行うもの」です。
「残業しないと終わらない」というのは、職場の仕組みに問題があると思いますので、心を病んでしまう前に、やる事をやったらさっさと帰ってしまいましょう。
「残業=熱心に仕事をしている」と思い込んでしまうと、つい自分のキャパ以上に頑張りすぎてしまい、筆者のようにある日突然、体調を崩し仕事に行けなくなってしまうかもしれません。
めまいなどの体調不良でしか、自分の限界に気づけないので
休むことの大切さが身に染みて分かります。
これは、筆者の上司からの有難いお言葉なのですが、
頼まれた仕事以上に頑張るとさらに仕事が増えるから、
仕事は頑張ってしないようにしている。
と、「確かに!なるほどなぁ。」と感じる素晴らしい名言を残されていたので、ここに載せておきます。
転職する
残業が当たり前になっている職場に勤務し続けていると、上記のような方法を試してみても、中々残業が無くならないといった事態になりかねません。
そんな時には、迷わずに「転職」をしましょう。
転職先がまた残業の多い職場だったら…。
このままのほうがマシなんじゃないかな?
このように、まだ起こってもいない不安を抱えているなら、それはもったいないです。
作業療法士という国家資格を持っている以上、職場の選択肢はたくさんあります。
ぜひ、自分の希望通りの働き方が出来る職場が見つかるまで、探し続けてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
作業療法士としての残業時間は、経験年数や職場によって異なります。
今の生活を変えたいのであれば、自分で行動するしかありません。
人生、仕事が全てではないため、プライベートとのバランスを上手く取りながら、長く働いていけるといいですね。
自分自身を守るためにも、ぜひ働き方を見直してみてください。
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